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Saika
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ちょっとR-18Gかかります。多分。

後味悪いんで気をつけてください。
 

翌日、街は早朝からざわめきだっていた。
赤レンガを敷き詰められた道に、紅色のまだら模様。
そしてその横には…。
「サンナバ!?サンナバッ!?」
叫びながら駆け寄ったのは名前を呼ばれた少年の母親。
少年は無残な肉の塊となって血の海に浮かんでいた。彼とわかるのは道のちょうど真ん中あたりに置かれた首からだ。
この街の子供は、人数が少ないため、街の大人みんなを親のようにしたって育ってきた。もちろんその逆もまた然り。だから彼の葬儀は翌日早急に執り行われ、参列者全員が涙を流した。
「あ、ティンおねーさん」
泣きはらした目で、参列から少し離れた木の下に立っていた彼女を見つけ、駆け寄ったのはロータリオだった。
彼女はいつのもように真っ黒な服を身にまとっていた。
「こんにちは…ロータリオくん…。誰か…お亡くなりになったの…?」
相変わらずどこか焦点の合わない、ぼうっとした目で見つめられながら、ロータリオは頷いた。
「サンナバが…殺されちゃったんだ…」
呟くように言った彼に、彼女は優しい声でそうと呟いた。
「この街には、位の高い人の、気持ち悪い伝説があるんだ。大人の人はみんなその位の高い人がよみがえったって言ってた」
「ロータリオくんは…そうおもう…?」
たずねられて、彼は首を横に振った。
「昔の人が蘇ったりしないもん。違うよ。でも…サンナバだって殺されるような悪いことは何にもしてない…」
彼の赤くなった目に、再び熱いものがこみ上げてきて、頬を伝う。
「そうね…、でもいつまでも泣いてばかりじゃ…悲しいままよ…?」
しゃくりあげる彼の背中を優しく撫でてやりながら彼女は悲しそうに微笑んだ。
「ど…いうこと…?」
「きっと今…サンナバくんの魂は…君のそばにいると思うの…」
サンナバの魂?と鸚鵡返しにたずねてくるロータリオに、ティンは頷く。
「そう…だからね…?悲しんでばかりいる君を見たら…サンナバくんも悲しむんじゃないかな…?」
「サンナバが悲しむ?」
再び鸚鵡返しになるロータリオに、ティンも再び優しく頷いた。
「だから…ロータリオくんは…サンナバくんの分まで…がんばって楽しく…生きなきゃね…?」
微笑まれ、彼はうんと小さく頷いた。


それから、いつもの場所・断崖に、子供たちが現れなくなった。
それぞれの親から、街から出てはいけないときつく言われたからだった。
何の建物もなく、親の目の届かない断崖は、誰か見知らぬ人物が子供たちに近づいた時に、一番危険な場所であるという意見がが、親たちの話し合いの中で出されたからだ。
ティンは寂しくなった。
ミサでは殆ど外に出ることが許されなかったティンにとって、彼らの遊ぶ姿や、話を聞いているときの真剣なまなざしは、とても新鮮で、見ているこちらもワクワクするようなものだった。
「ねぇ…おじいちゃん…」
黒い窓から見える青い海を眺めながら、ティンは祖父を呼んだ。
「なんだい?ティン」
「私明日…彼の家まで出かけてこようとおもうの…」
体の弱いティンは、あまり遠くまで歩いたことが無い。
いつも白い箱の中に閉じ込められていた。友達の家をたずねるということもしたことが無かった。
「大丈夫なのかい?」
祖父はニッコリとわらってたずねた。
「うん…彼と…いると何故か苦しいのが…止まるような気がするから…」
つられて笑ったティンの顔色はさほど悪くは無かった。
「お前の勘はお前の母親に似てよく当たるからね。じゃあ、いっておいで」
「ありがとう…」
ティンは微笑んだ。

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