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Saika
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ちょっとR-18Gかかります。確実に。

後味悪いんで気をつけてください。



これでこのお話は完結です。
ありがとうございました。


「それから…彼女にはあったの?」
ジャーナリスト風の女性は隣にあった大きなバッグを手で確かめながら青年に尋ねたが、彼は俯き首を横に振った。
「いいえ。おそらく彼女は…彼女の義理の母親に全てを捧げて…この世には…」
「そう…彼女が生きていたら彼女の話も聞きたかったわ…」
女性が儚げに微笑む。
「十五年前の犯人さんに直接…」
「?!」
ロータリオの瞳が驚きと戸惑いに揺れる。
「直接かかわった人物だもの…」
にっこりと笑みを浮かべて、彼女は言葉の続きをいった。ロータリオの表情が安堵に緩む。
「しかしなぜ…このお話を私たちに…?とてもつらい記憶でしょう?」
「だって…先にこの話を聞かせてくれといったのはあなたたちではないですか」
ロータリオはふと笑みを漏らした。
「それはそうだけど…。でも思い出したくない記憶でしょう?」
彼女の質問に、ロータリオは頷く。
「えぇ…。でも私がいまさら…どうあがいたって彼女は返ってはきません。それなら…彼女の養祖父を探し出して…事実を聞きたいと思いまして」
でも十五年も前の話。その老人がなくなっている可能性は極めて高い…。彼はそういった。
「医者を目指す研修医の身なので。検死をして、死因をたしかめたいと思うのは…当然でしょう。」
「そうね…。できれば私たちも…早く彼女を見つけてあげたいわ…ねぇ…そう思わない?」
彼女が話しかけたのはついたての陰になっているところにたっていたオトコだった。おそらく彼女の後輩だろうとロータリオは思った。
「最後に…。あなた…そのなくなったお友達に…会いたいと思う?」
あまりにも唐突で、突拍子のない質問に、ロータリオは一瞬目を見開いたが、しっかりと微笑んで
「えぇ…もちろん。まぁもし会うことが叶うとしても…『向こう側』にいってからですけれどもね…」
「そう…。じゃあすぐにでも会いにいかせてあげるわ」
つぶやいたかと思うと、女性とは思えぬ力でロータリオの首を締め上げる。
「かはっ……」
驚きと苦しみにゆがむ表情。
「あぁ、やっとすべてがそろうわ……」
首を締め上げながらうっとりと女はつぶやいた。
ロータリオの指が首を絞める女の手に絡みつき爪を立てる。
「いいことをおしえてあげましょ?アナタのお友達。みーんなここにいるわ」
「な……ん……だとっ……」
喉を押しつぶされかすれた声で憤りを叫んだ。
「アナタのお友達の身体の一部、あの娘。ぜーんぶ私の身体になってるの」
女はあでやかな笑みを浮かべる。
「アナタでサイゴ。これでこの忌まわしいペースメーカーから開放されるわ。はやく頂戴ね?あなたの心臓を」
ベキリと音を立ててロータリオの首が、折れた。

 

むかしむかし、断崖の先にある黒い塔に、永遠に生きる権力者が住んでいた。
その権力者はあるとき娘に恋をした。
永遠を生きる自分と、百年も生きていられない彼女。
いつかは彼女と離れる日が来てしまう。
彼はその苦悩に耐えられなかった。
そこで彼は考える。
自分が永遠を生きなければならないならば、彼女にもその永遠を与えればいいのだと。
そして彼はとうとう見つけるのだ。
すばらしい才能を持った少女を。
永遠を生きる力のある身体を。
はじまる殺戮の日々。人々の嘆きや叫びは、権力者には届かない。
移植の日々。娘と永遠を生きるという欲にまみれた権力者の愚かなる願い。
何故自分が永遠を生きなければならないのか。それにすら気付くことができないのだ。

エトリタ。
荒波に砕かれてできた、奇妙な断崖と不気味な伝説でで知られる街。

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