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Saika
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R15かもー(汗)
とりあえず、気をつけて。








 








白く細い手が、宙を掻く。
何かから逃れたくて、もがく様なその仕草を、かっしりとした腕が絡みとる。
有るものは荒い吐息と衣擦れの音。
それはすべてから隠れる様に、静かにひっそりと行われていた。
何かをいわれ、伊作は小さく首を振った。
きゅっと力強く目を瞑り、嫌々をする。
浅く呼吸をしながら、つま先と指先に力が入って相手の背中に小さく爪痕を残した。

 


─後悔してるか?

文次郎は酷く後悔していた。

─何?

気持ちが微塵も向いていないだろうこの想い人を抱くことを。

─俺と、こういう関係になったことだ

網で掬われた魚のように、ぐったりと横たわる。
壁を向いて無言になった彼に、文次郎は少しため息を漏らした。

─……何を言い出すかと思えば

しばらくの間の後呟いた彼に、裸のままでは風邪を引く、と着物を自分の被せてやる。
少しだけ身じろぎした体が、手が、その着物をきゅっと握った。

─すまん
─もう……謝らないでよ、馬鹿

お互いに背を向け合って、言葉を交わす。
そばにいたい。
そばにいて欲しい。
けれど何度肌を重ね合わせても、情事後に相手の姿を見るのはなんだか照れくさかった。


最初は強姦だった。
力任せに押し倒し唇を奪い、手足を拘束する。
痛がる相手を気遣うこともせず、ただ自分の欲望だけをぶつけていた。
嫌われても良いとさえ思った。
もう友達ではいられないだろう。そばにはいられないだろう。


何故、そうまでしてこの親友を自分のものにしたかったんだろう。


しかし翌日、彼はいつもと同じように接してきた。
そんなことは最初から夢だったんだよ、とでもいうように。
他の友達と笑いあって、馬鹿をやって。怒られて。
それから二人は何度も逢瀬を重ねた。
時には人払いをした保健室で。時には偶然出会った合戦場で。時には星が見守る森の中で。
大事な言葉は決して言えなかった。
決して叶わないとわかっている願い、そんな恥晒しの様な真似は、口にしたくはなかった。
だから


─後悔なんてしてるわけないだろ 君と出逢ったときから、僕は君が好きだったんだから。

 

その一言に、文次郎は掬い上げられた。

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