呼び方は、某絵茶に参加したときに
「こういう呼び方をしている二人とか萌える!」
ということで決定しました(笑)
駅前では黒いお兄系の衣装に身を包んだ長身の男が、若い女性に囲まれていた。逆ナンだ。
「かっこいいおにーさん、誰かと待ち合わせ?」
「それとも振られたの?」
「私たちとあそびにいこーよ!」
化粧や香水の酷い匂いが、鼻をくすぐる。
「すみません、生憎俺は……」
酷く困った様子で女性を持て余す。あぁ、早く待ち人は来ないものか。
そう思っていたら、突如携帯が着信を告げた。
「あぁ、ついた?うん。今そのまん前なんだけど、ちょっと人がおおいね……」
助かったとばかりに電話の相手と親しそうに話し出す。
女性たちは面白くなさそうに散っていった。
「え?もう見えてる?……どこだろ……」
電話から耳を離してあたりをきょろきょろと見回す。
いつも見慣れた元気で愛らしい姿はどこにも見当たらない……と。
「カイくん!」
「うわっ!」
突然抱きつかれて驚いた。
「びっくりした……」
「えへへ、ごめんね?」
上目遣いで見つめられると、思わず頭をなでたい衝動に駆られた。あわてて手を引っ込める。
「ミク……っと。みぃちゃん……びっくりした」
くすっと笑って引っ込めた手を差し出せば、その上に手が重なってくる。
そのまま握って、二人は駅の中へと消えていった。
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