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Saika
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カイミクです。一応。
クリプトン社のボカロ全員と、マスター(女性)が出てきます。
人の体温って暖かいよね!!


これで今年の更新は最後と思います。

今年はVOCALOIDとの出会いの年で、人々との出会いの年でした。
一年でこんなにたくさんの人たちと知り合えるなんて思ってもみませんでした。

ブログも始めてしまったし(笑)

これからまた、ゆっくりまったり、作品(というか駄文)を書いていこうと思います。
また来年も、お付き合いくださるとうれしいです。


それではみなさま、よい年をお迎えください。
来年も皆様にとって、いい年になりますようお祈り申し上げます。

二千八年十二月大晦日   百鬼 ゆら


寒さで小刻みに震える体を、焚き火で温める。
寒すぎる。なんだこの寒さは。
毎年の行事だからと、ミク達は大晦日の深夜に近所のお寺までやってきていた。
これから除夜の鐘を撞くのだ。
「ミク姉ぇ~寒いー!」
妹がむぎゅっと寄ってくる。
ボーカロイドの体温は、人間とほぼ同じように作られているため、くっついているとほのかに暖かくなる。
「寒い……、温暖化なんていってる人ってどこの誰よっ。なんで大晦日に雪が積もってるの!」
今日の昼ごろから降り続いている雪は、大方足首あたりまで積もっていた。
このまま降り続けば、明日はもっと積もっているだろう。
「降り始めたころは喜んでたくせに。ほら、リン。レンを見習ったら?」
火の向こうで笑っているのは姉。
弟は鼻を赤くして、ボーカロイドたちの持ち主と境内を駆け回っていた。
「ぎゃ!レン!顔を狙うの反則!」
「へっへっへ、マスターがとろいから狙われるんだぜ!」
コートと顔をを雪まみれにして叫んでいる持ち主と、雪玉を固めている弟。
ずいぶんと楽しそうだ、と眺めていれば。
「あっ!マスターそれあたしのコート!新調したばっかりのやつ!年明けに下ろそうと思ってたのに!」
「げっ!バレた!にげろっ!」
「MEIKO姉ちゃんなんで俺も狙うんだよっ!」
「うっさい!こないだ買ったばっかりのあたしのコートに雪投げつけてる罰よ!」
そういって姉も雪だまを投げつけ始めた。
「楽しそうだなぁ……」
「リンも混ざってこようかな……MEIKO姉ぇのチームで」
「それがいいと思うよ。マスターたちの方だと勝ち目ないし……」
姉は最強だ。
「ミク姉ぇは?」
「私はここで見てる……寒い」
わかった、ちょっと行ってくる、と妹が離れていった分、体温がぐっと下がった気がする。
もう少し火の近くに寄ってみた。
「あんまり近づくと火傷するよ?」
「お兄ちゃん!どこいってたの?」
妹が雪合戦に混ざってすぐに、兄がきた。
「あとどれくらいで始まるのか、ちょっと聞いてきたんだ」
十五分くらいで始まるらしいよ、と兄は答えながら隣で暖を取る。
火の回りにはだんだん人が集まりだしていた。
トレードマークの青いマフラーに、白い雪がとまる。
「お兄ちゃん」
「ん?」
「むぎゅーってしていい?」
「え?」
少々戸惑いの色を隠せない兄。そりゃそうだろう。兄妹で抱き合ってたら、変だ。
「火に当たってると顔は暖かいんだけど……背中……寒い……」
最後は消えそうなほど小さな声で訴える。
兄はくつくつと肩を揺らして笑ってから、後ろから抱きしめてやった。
「ミクは寒がりだなぁ」
「仕方ないじゃん、夏生まれなんだもん」
笑い声交じりに言われて、ミクはぷっと頬を膨らませる。
頭の上で甘く落ち着いた兄の声がする。すごく幸せだと感じた。
そんな時間もつかの間。
「あ!ミクとKAITOずるい!何そんなところであったまってるの、混ぜなさい!」
「マスター子供みてぇ」
「リンも火の近くいこーっと!髪の毛びしょびしょー」
「マスター、逃げる前にコート返しなさいっ!」
「いーやーだー!」
火の回りにあつまったほかの人たちがどっと笑い出す。
「アルトちゃんところはみんな元気で仲がいいねぇ」
「それだけが取り柄ですから!」
持ち主はかけられた声に笑顔で返した。
今年一年はどうだったとか、来年はいい年になるといいと話していると、寺の住職が社務所から出てきた。
「では、そろそろ時間ですので始めましょうか」
そういって鐘撞き台にのぼる。
雪が舞う冬空に、新年を告げる除夜の鐘が鳴り響いた。
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