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「何いってるの……?」
一日一ファックだのと言っていた男が。
ミクが思わずたずねたときに、カイトが脱ぎ捨てたスーツのポケットから甲高い電子音が聞こえてきた。
「あ……ケータイ……」
小型モバイルの着信を告げる音だ。それに気づいたミクは、これ幸いとカイトの体から逃げ出す。
五つも六つもある中から、着信イルミネーションの点滅するモバイルを探し出して手渡してやる。
それぞれ違う女に持たされたものらしい。
「あー……約束あったんだったった。すっかりわすれてた」
こういう男だから、持たせずにはいられないのだろう。彼女たちの苦労がなんとなくミクにもわかる。
「はやく出れば?」
「いいよ、面倒くさいし」
せっかく渡したモバイルを、カイトは放り出す。再びスーツの上に落ちてポスっと抜けた音がした。
「可愛そうじゃない。彼女なんでしょ?何号さんだか知らないけど」
「そんなんじゃない」
と彼は陰険な微笑を見せる。
「あいつらは俺のしがらみ。もしくは金づる。もしくは女という名の穴」
親指と人差し指をくっつけてみせる彼に、ミクはあきれる。
「サイテー……」
あきれつつも心配になった。
「でも金づるだったらやっぱり出たほうが良いんじゃない?お金がなくなったら死んじゃうよ?」
「死ぬかもね」
どうでもいい、という調子でカイトは肩をすくめる。
「お前だって女だろ?」
悪戯っぽい笑みを浮かべて、睫の長い綺麗な目でじっと見つめて。
「やらせて、子猫ちゃん」
言うなり覆いかぶさられて口付けが降ってきた。
ついばむようなものから、噛み付くようなものに変わる。
舌を根こそぎ持っていかれるのではないかと思うほど、荒々しくかき回してくる。
結局のところ盛ってしまいさえすれば、穴なら何でも良いのだろう。
だから目の前にいるミクに手を出してくるのだ。