(本当……しょうがないなぁ……)
バックで犯されるよりはマシだろうと、ミクは自分からカイトの首に腕を回した。
仰向けに倒れこむと、カイトは驚いたように目を見開き、優しく微笑む。
ミクがこんな風に積極的に行動したのは初めてだった。
「珍しい。そんな風にされると、ますます燃えちゃうなぁ」
ミクの足元にまとわり着いていたジャージをすばやく奪い取ると、細い足をいっぱいに開かせてきた。
余裕たっぷりに腰を揺らして、先端をこすりつける。
襞や、一番敏感な部分を刺激されて感じてしまい、背骨をくねらせた。
「あ……ん……」
気を良くしたのか、カイトはさらに腰を回してくる。糸をひく粘液を全体にまぶすようにしてから、静かに挿入してきた。
ミクは息を詰めて目を瞑った。
「んんっ……くっ……」
コレだけは何度されてもなれない。どれだけ濡らしてもらっても、大きな異物に幼い身体はなかなかなじめない。
痛いというより圧迫感が切なかった。押し広げられすぎて壊れてしまうのではないかと不安になる。
不安になると感じなくなり、なじむまでに時間がかかりすぎるために、カイトが先に達してしまうことが多かった。
だが、このときはすぐに動こうとはしなかった。
「……つらいか……?」
接合部を見つめて、低く掠れた声がささやく。
ミクは素直にうなずいた。
「そっか、ちょっとだけ我慢してくれよ?」
入れたまま呼吸を整えるようだ。いつものように急速に腰を動かすことはせず、ゆっくりと上体を前に倒してきた。
そのままぎゅっと抱きしめられ、彼の肌からは甘いバニラの香りと、酒と、饐えた胃液のにおいがした。
身動きするだけで苦しかったが、カイトの前髪を梳くようにして顔を見る。
「……?」
思わず眉をひそめるほど、カイトは穏やかに微笑んでいた。
「我慢比べだ」
「……な……にそれ……?」
いつもみたいに、わがままに突いて、早く終わってほしかった。
なのにそれに反するように、カイトの動きはじれったいほど緩慢だった。
「俺、前戯うまいだろ?思いやりのないテクニシャンって言われてるんだ」
「……ん……そうだね……入れちゃうと乱暴だけどね……」
だから『思いやりがない』のだろう。
「男に慣れてる女なら、それで十分なんだよ。俺のでかさと腰使いで勝手によがってくれる」
でも、慣れていないミクは違うのだ。
「男に抱かれて感じなきゃ、本物の女にはなれないよな。俺が甘かったぜ」
丁度鳴り止んでいたさっきのモバイルが再び鳴り出した。
続いてほかのモバイルたちも大合唱を始める。
「あ……」
「大人気だなぁ、俺」
「ドコがいいんだろうね?こんな男……」
大真面目につぶやいたミクに、カイトは苦笑を浮かべた。
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